Sytem of Record(SoR)その3
IoTはネットワーク・セキュリティ対策的にまだまだ厳しい段階と思っていたら、経済産業省から以下の「地域DX推進ラボの在り方等に関する検討会」が始まったようです。事務局資料元は、 Ernst & Young(EY新日本有限責任監査法人)であり、地方DXといえばデロイト・トーマツでしたが、そうではない、という点が少し驚き。
IoTの時流は、SD-WANやゼロ・トラストの延長になっていくと思われますが、テレワークの関心具合からすると、オフィス外のネットワーク設計・構築について、いくつかの壁があるだろうと。テレワークについては、また後日。
さて、「中小企業向け・クラウドERPにおける2大会計ソフトからの展開」ですが、大きくは以下の通り。
社内外コミュニケーションはMicrosoft 365 Business Premium(windows 10 Pro、11Pro)をベースに、ライセンス含めて、月額3~10万円程度となりますと、
<BtoB(社員数:30人未満)>
フロント:顧客管理、請求書発行…board
バック:会計…freee会計
バック:給与計算…freee人事労務もしくは社労士委託
バック:勤怠…IEYASU
バック:労務…社労士委託
freee会計で請求書発行可能ですが、boardを使う理由として、
(1)見込み案件の登録…需要予測、資金繰り表の作成
(2)簡易的ですが、建設業やシステム・ベンダーのように仕入(外注)管理を行い、プロジェクト・案件単位の粗利益の把握・共有
です。資金ショートしないように、向こう3ヶ月程度のキャッシュ残高は注視すべきですし、個々の案件について、属人的なエクセル管理で、上長がエクセルの二重転記を行い営業動向を日々まとめている、としたら時間がもったいない、と思います。
<BtoB(社員数:30~100人未満)>
フロント:顧客管理…kintone
フロント:請求書発行…board
バック:会計…freee会計
バック:給与計算…freee人事労務もしくは社労士委託
バック:勤怠…IEYASU
バック:労務…SmartHR
「KAIZEN」プラグインによって、今までのベースを変えることなく、kintone×boardを連携することが可能です。現在のところ、「freee for kintone」よりも導入費用安く。
売上が伸びてくると、案件も増えて、担当営業1人では、顧客フォローすることが難しくなってきます。しかし、boardの場合、顧客情報登録は出来ますが、その他のアプリ連携は弱いので、インサイド・セールスや小規模なコールセンター(CTI)設置等の顧客対応は不向きですので、kintoneが必要になってきます。
<BtoC>
フロント:顧客管理…kintone
バック:給与計算…マネーフォワードクラウド人事管理・給与もしくは社労士委託
バック:勤怠…IEYASU
バック:労務…SmartHR ※(社員数:30~100人未満)
あまりマイナーなシステムを使用すると、
(1)上記のようなクラウド(SaaS)連携が難しく、経営資源であるデータを有効に活用出来ないため、現場の課題解決に結びつかない
(2)人気がない=操作性・ユーザーインタフェースに問題がある、法改正に伴う機能アップデートやセキュリティ・保守対応に不安
(3)求人募集の際、操作経験者が見つからず、新たな担当者を探すことが難しい
といったことが起こりがちです。また、メジャーで汎用的なシステムを使用することは他社との差別化にはなりませんが、その蓄積されているデータを全社的にいかにうまく活用できるか、がポイントです。
System of Engagement(SoE)(デジタル・マーケテイングやIoT)、System of Insight(SoI)に、徐々につなげていくことが他社との差別化になっていくのであり、Sytem of Records(SoR)がその基礎になります。加えて、Sytem of Records(SoR)に取り組むことで、生産性を高め、業務効率化を図り投資キャシュを捻出することが、第一歩になります。
「バクラク」シリーズはまだ使ったことがないのですが、LayerXの福島さんの考え方には非常に共感しています。
次回は、System of Engagement(SoE)、に触れていきます。
Sytem of Record(SoR)その2
先日、LegalForceさんが以下の調査レポートを出されてまして、『「SaaSを活用できている」と回答した約7割(398名)が、SaaSによりDXが進んだ』、とのこと。ただ、バックオフィス(人事/労務、経理/財務、法務)はまだ少なく。中小企業向け・クラウドERPでは、肝心なところです。
というのも、2大会計ソフト(freeeまたはマネーフォワードクラウド)どちらかを軸とするからです。私の操作経験からすると、BtoCのクレジットカード決済の与信審査~入金確認まで行う必要があるならば、マネーフォワードケッサイと合わせてマネーフォワードクラウド、と思います。
freeeではStripe連携可能ですが、Stripeが国内「決済」は少し弱い様子のため、BtoCの会社さまでしたら、キャッシュレス普及による多用な決済サービス(マルチペイメント)が必要になることからも、はじめからマネーフォワードでしょう。
昨今の電子帳簿保存法、インボイス制度対応はもちろん、ネットバンキング連携による取引明細インポートから「自動で経理」や債権債務管理、は機能的に遜色なく、月額もそれほど変わりません。昔の弥生会計や勘定奉行は、仕訳パターンの登録や過去仕訳からのコピー&ペーストで効率化を図ってはいましたが、債権債務管理は非常に大変でした。前受金管理等の新収益認識基準に対応したSaaS連携(アルプ、KIMERA)も進んでおり、他の会計ソフト選択肢はもう考えにくい、状況です。
製造業・小売業ではないBtoBの小規模な企業さまでしたら、顧客管理と請求書発行が一体となった「board」というSaaSをfreee連携すれば、脱エクセルによる社内一元管理が手軽に可能です。クレジットカード入金は非対応の様子。
Sytem of Record(SoR)その1
経済産業省:DXレポート2.0が発表されて1年以上経ち、DX(デジタル・トランスフォーメーション)をどこから進めるべきかですが、ペーパーレス=データ中心になりつつある中で、まずはSoRから取り組むことが必要でしょう。デジタイゼーション、デジタライゼーション、とも言います。「SoR=正確に記録すること」ですから、顧客管理や経理業務がイメージされやすいかと思います。
また、そのDXレポート2.0では、以下が挙げられています。
・業務環境のオンライン化
・業務プロセスのデジタル化
・従業員の安全・健康管理のデジタル化
・顧客接点のデジタル化
私がデータに関心が向いたきっかけを振り返りますと、まず、オンプレミスのシステム環境の中で、社内にデータ管理・統制はなく、各部署・各自でエクセルを駆使しており、データ量が膨大になると関数多用、アクセスやマクロで効率化が大変でした。休職・退職が発生すると誰もが引き継ぎ困難、という状況もありました。そのため、100ページ超えの業務マニュアル(手順書)を、都度作ってました。
金融庁検査マニュアルは廃止されてしまいましたが、上記の状況で監査法人の監査もありつつ、検査が来るとなると「顧客保護等管理態勢」や「オペレーショナル・リスク管理態勢」が問われ、売上や利益も大事であるが、法人として常に全体の状況を把握出来ているか、と。
「Quality(品質)、Cost(コスト)、Delivery(納期)」という考え方からすると、モノはありませんので、蓄積された情報がすべての業界でしょうから、必然的に、より正確で網羅的な情報・データ管理体制を築いていくこととなりました。さらに、東日本震災を契機にBCP(事業継続計画)が注目され、Reliability(信頼性)、Availability(可用性)、Serviceability(保守性)、Integrity(完全性)、Security(機密性)を体現していくには、自社内にオンプレミス、カスタマイズ、機能サイロ化されたシステムを抱えるのではなく、社外に汎用的なクラウドによる機能連携されたシステム、を強烈に感じました。
SAPを代表としたERPパッケージ(モジュール)は既にありましたが、コスト面ではなかなか厳しかったです。次回は、そのコスト面も踏まえた、中小企業向け・クラウドERPに触れていきます。
ブログ開設
はじめまして、TechSoreil(テックソレイユ)です。初投稿です。
まだ、事業等は始めていませんが、ITコーディネータとして、中小企業の新たな需要創出・戦略人事を実現できるように、セキュアな環境とクラウドを基盤とした、「ユーザーシップ・デジタライゼーション」を提唱していく予定です。
このネーミングの由来、中小企業で働く人や業務プロセスを、テクノロジー(Tech:フランス語)で太陽(Soleil:フランス語)のように明るくしたい、と思いまして。また、Sytem of Records(SoR)、System of Engagement(SoE)、System of Insight(SoI)、の時代ですので、少しもじりました。
どちらかといえば、フロントよりもバックオフィス(経理、総務、システム管理者)の経験が長いため、Sytem of Record(SoR)を得意としています。改正電子帳簿保存法やインボイス制度に伴い、経理ソフトはfreeeやマネーフォワードが主な基盤になってきています。加えて、Microsoft 365 Business Premium(Microsoft 365 Certified: Enterprise Administrator Expert 勉強中)やKintoneをあわせて導入支援予定です。セキュリティ、ネットワーク周りも多少知見がありますので、コスト・パフォマンスのあるリモートワーク環境構築もサポート予定。
ロゴは、以下「Brandmark」から作成しました。無料ではありませんが、文字ロゴのみでよければ、随分手軽でした。
アイコンは、フリーの「FLAT ICON DESIGN」からです。